2006年 08月 29日
ユナイテッド93 |
話題の映画です。うっかりポップコーンなどを買って入場してしまいましたが、やはりこういう映画は粛々と鑑賞するべきかもしれぬ、と予告編の間に意地になって食べ切ってしまいました。というわけで、エンターテイメント性を最初から期待してはいけない映画です。 9.11同時多発テロ。
ハイジャックされた飛行機のうち、唯一テロリストがターゲットにたどり着けなかったというユナイテッド航空93便。たどり着けなかったのは、外部との通信であきらかになったとおりなのですが、その「断片」から「信じられる真実」をめざし、構築して映画化された作品です。
ある意味アンタッチャルブルというか、タブーとされていたモチーフですが、その先陣をきっての製作、公開、とのこと。
危険をかえりみず、身を賭して、ハイジャック犯に挑む乗客たちの姿は、アメリカの社会が待望し、しばしば人々に要求するヒーロー像なのでしょう。これが実は苦手です。『インデ○○デ○スデイ』など、あまりのアメリカ的浪花節ぶりにちゃぶ台があればひっくり返したくなりました。あれは自分にとっては今まで観た映画の中で間違いなく嫌いな映画の一つです。
同じくヒロイズムと悲壮感に満ちた映画なのです。しかし、なんというのでしょうか。なまじ実際おこった事件であり、そこで描かれた人々がすべて犠牲になったという事実はとても重い、というか重すぎました。だからほんと批評とか批判的な気持ちはどこかへ行ってしまったのです。報われないヒロイズム、こういうアメリカ映画、めったにありません(余計な恋愛エピソードがないのも新鮮)。
最後にいたる緊迫した映画のつくり、呼吸困難になりそうでした。そしてブラックアウト、あとは茫然とした気分。そしてそれでも「真実はやっぱり沈黙したままだ」と思うことで冷静さをとりもどしました。映画としてどう評価していいかわからない作品、というおさまりの悪さ、勢い歯切れも悪くなる感じはあります。
出演者はモデルとなった乗客の遺族とコンタクトを取りながら誠意をもって演じたということです。としたら、やはりこれは残された人々が犠牲者に捧げる花束のような作品なのです。良くも悪くも。こういう作品があっていい、だけど、映画としては最初から評価を拒んでいる作品でもあるように思います。
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by brunodujapon
| 2006-08-29 07:33
| 映画

















