2005年 08月 10日
ル・ヴァン・ス・レーヴ… |

中でもどれがいいのか、というと『海辺の墓場』という詩がいい、というので、観てみたら、最終連の冒頭になにやら覚えのある詩句があります。
Le vent se leve...il faut tenter de vivre
このフレーズは、堀辰雄の『風立ちぬ』です。彼はこれを「風立ちぬ、いざ生きめやも」と訳しています。原文だと「風が吹く…生きなければ!」というくらいの意味ですが、ちょっと万葉集ふうな調子の堀辰雄訳だと「風が立った、さあ、生きるんだろうかねぇ…」くらいの意味になってしまうので、「誤訳」ということになっていますが、フランス語にしても堀辰雄の訳にしても現代日本語からは遠いので、なんとなく簡単に丸めこまれています(笑)。
というわけで、まさに暦の上では立秋ってことだし、なんとなく、堀辰雄も読んでみたくなりました…ってことで、『風立ちぬ』の感想文などまた書いてみたいと思います。あ、ポール・ヴァレリーもですね。でもむずかしいいいいい。日本語訳を探してきます。この詩集をもらったとき、マルクに「堀辰雄という作家がいて…」と教えたら、あちらも興味津々だったのでそのうち彼の感想も聞けるかなあと思います。
■
[PR]
▲
by brunodujapon
| 2005-08-10 00:43
| 読書