2005年 02月 13日
エル・スール、ル・ミディ |
コート・ダジュールにも雪が降ったぞ、とフレジュスという街に住むミシェルさんからたくさん写真が送られてきました。よっぽどめずらしかったらしいけれど、やはりこれも異常気象なのかな。
実はまたコート・ダジュールに行ったことがないのです。だもんで、コート・ダジュール、というと、『エル・スール』というスペイン映画の、主人公の少女のような気持ちになります。
少女エストレイリャは、まだ行ったことのない父の故郷である南(エル・スール)に憧れて、ようやく旅に出るのは父親の死んだあと。父の故郷から送られてきた南の風景のポストカードをちいさなトランクに入れて家を後にする最後の場面にはさびしさと期待が交じり合った、複雑な情感が漂っていました。そして主人公の少女はこんな複雑な気持ちをどうあらわしたらいいだろうか、と誰もが逡巡するだろうその場面の複雑さをたったひとつの表情で表現していました……映画に最初からつきあってようやく味わえるものを、このどうということのない雪景色の写真を見ながら思い出しました。
未来からやってきた記憶、わけもなく心をときめかせてくれる風景はそんなものに属する性質を持っているのかもしれません。
実はまたコート・ダジュールに行ったことがないのです。だもんで、コート・ダジュール、というと、『エル・スール』というスペイン映画の、主人公の少女のような気持ちになります。
少女エストレイリャは、まだ行ったことのない父の故郷である南(エル・スール)に憧れて、ようやく旅に出るのは父親の死んだあと。父の故郷から送られてきた南の風景のポストカードをちいさなトランクに入れて家を後にする最後の場面にはさびしさと期待が交じり合った、複雑な情感が漂っていました。そして主人公の少女はこんな複雑な気持ちをどうあらわしたらいいだろうか、と誰もが逡巡するだろうその場面の複雑さをたったひとつの表情で表現していました……映画に最初からつきあってようやく味わえるものを、このどうということのない雪景色の写真を見ながら思い出しました。
未来からやってきた記憶、わけもなく心をときめかせてくれる風景はそんなものに属する性質を持っているのかもしれません。
by brunodujapon
| 2005-02-13 10:29
| 紀行